今年の6月に祖母が亡くなり、家の片付け——いわゆる遺品整理をすることになりました。
片付けていると、次から次へと出てくる古いもの。長年その家で使われてきた、食器、花瓶、使いこまれた竹のかご……。「もう使わないよね」と処分の山に入れかけて、ふと手が止まりました。
これ、捨てるにはもったいないんじゃないかな。
試しにメルカリに出品してみたら、思いがけず売れたものがありました。その一方で、「これは絶対売れる」と思ったのに、まったく反応がなかったものも。
この記事では、遺品整理で出てきた古いものを実際にメルカリで売ってみて分かった、「売れるもの」と「売れないもの」の違いを、正直にまとめます。同じように実家や祖父母の家の片付けで迷っている方の、参考になればうれしいです。
片付けは、親戚みんなで
ありがたいことに、うちは親戚同士が仲良しです。孫もひ孫も集まって、みんなで一緒に片付けをしました。大人数だと作業が早いのはもちろん、「これ、おばあちゃんが使ってたね」と話しながらできるのがよかったです。
出てきたものは、こんなふうに分けていきました。
- 各家庭で使えるもの … それぞれ持ち帰る
- まだ使えるけれど、うちでは使わないもの … メルカリで売る/買取店に持っていく
- どうしても使えないもの … 廃棄する
「全部捨てる」でも「全部取っておく」でもなく、この4つに分けるだけで、ずいぶん気持ちが軽くなりました。
実際に売れた3つ
① 竹細工のざる
古い竹のざる。直径37cm・高さ12.5cmと大きめですが、状態がよく「美品」として出品できました。
売れた価格は2,700円(送料750円込み)。今はこうした昔ながらのかご・ざるを好んで探している人がいるようで、比較的すんなり買い手がつきました。新品にはない風合いが、逆に価値になるんですね。
② 大阪万博の金盃
戸棚の奥から出てきた、大阪万博の記念の金盃。正直「こんなもの誰が買うんだろう?」と思いながら出品したのですが、1,400円(送料150円込み)で売れました。
記念品やレトロなグッズは、コレクションしている人がいます。自分にとっては「よく分からない古いもの」でも、探している人には”ずっと欲しかったもの”なんだと実感しました。
③ 花瓶
これも祖母の家にあった古い花瓶。今どきのインテリアにはない形や色合いが、かえって好まれるようです。
売れなかったもの2つと、その理由
いっぽうで、出品したのに売れ残ったものもあります。ここがいちばんの学びでした。
× 絵手紙の本(記名あり)… いいね2
きれいな状態の本だったのですが、中に名前が書いてありました。いいねも2件だけで、ほとんど反応なし。
本や雑貨は、記名・書き込み・シールがあるだけで一気に売れにくくなります。買う人からすると、他人の名前が入ったものはやっぱり気になるんですよね。「状態がきれい」だけでは足りないのだと分かりました。
△ 竹細工の盛り籠 … いいね13
こちらはいいねが13件もついたのに、売れませんでした。同じ竹細工でも、ざるは売れて盛り籠は売れない。不思議ですよね。
これで分かったのは、「いいねが多い=売れる」ではないということ。いいねは「気になってはいるけど、まだ買わない」という状態。多くの場合、値下げを待たれています。逆に言えば、いいねが多いものは値下げすれば動く可能性が高いということでもあります。
買取店では、食器を引き取ってもらえなかった
メルカリと並行して、いとこが買取店にも持っていってくれました。祖母の家には食器がとにかく大量にあったので、まとめて引き取ってもらえたら楽だと思ったからです。
1回目は、無事に引き取ってもらえました。「これで処分が進む」とみんなでほっとしたのを覚えています。
ところが後日、残りの食器を持って2回目に行ったときは、引き取ってもらえませんでした。いとこはずっしり重い箱をひとりで積み込んで持っていき、そのまま積み直して、がっくりして帰ってきました。ほんとうにお疲れさまでした……。
同じ店の、同じような食器なのに、1回目はよくて2回目はだめ。はっきりした理由は分かりませんが、お店の在庫状況や、持ち込むタイミング・量によっても変わるのかもしれません。「前回は引き取ってもらえたから、今回も大丈夫」とは限らないのだと実感しました。
一般的にも、食器はブランド品や未使用品でないかぎり、買取店では値段がつきにくいと言われています。同じ「売る」でも、買取店とフリマアプリでは、売れるものがまったく違います。
| 向いているもの | 特徴 | |
|---|---|---|
| 買取店 | ブランド品・貴金属・家電など | 持ち込めばその場で完結。ただし断られることもある |
| フリマアプリ | レトロな雑貨・竹細工・古い記念品など | 手間はかかるが、探している人に直接届く |
買取店で断られたものでも、フリマアプリなら欲しい人が見つかることがあります。実際、竹細工のざるも金盃も、そうやって買い手がつきました。「値段がつかない=価値がない」ではないんですね。
大きいものは「送料が安いタイミング」を狙う
古いものを売るときに、意外と見落としがちなのが送料です。特に竹細工のざるのようにかさばるものは、送料が高くつくと手元にほとんど残りません。
そこで私は、メルカリ市など、送料が安くなるタイミングを狙って出品しました。実際に売れたのは6月のメルカリ市のときです。同じ値段で売れても、送料が数百円変わるだけで、手元に残る金額はぐっと違ってきます。
こうしたイベントは定期的に開催されているので、大きいものは慌てて出さず、送料が安くなる時期を待つのもひとつの手です。急ぎでなければ、それだけで利益が変わります。
実際の内訳を、ざっくり計算するとこんな感じです(販売手数料10%で計算)。
| 売れたもの | 売れた価格 | 送料 | 手元に残った額(目安) |
|---|---|---|---|
| 竹細工のざる(直径37cm) | 2,700円 | 750円 | 約1,680円 |
| 大阪万博の金盃 | 1,400円 | 150円 | 約1,110円 |
「捨てるはずだったもの」がこの金額になるなら、ひと手間かける価値は十分あると感じました。
やってみて分かった、「売れる/売れない」の見分け方
- 古さは、マイナスではない。竹細工やレトロな記念品のように、古いからこそ探している人がいる
- 記名・書き込みは致命的。本やノート類は、まず中を確認する
- いいねが多いのに売れない=値下げ待ち。少し下げると動くことがある
- 買取店は「前回OKでも今回はNG」がある。断られてもフリマアプリなら売れることも
- かさばるものは送料に注意。送料が安くなるタイミングを狙うと、手元に残る額が変わる
- 自分の価値観で判断しない。「こんな古いもの誰が…」と思ったものほど売れたりする
いちばん強く感じたのは、最後のこれです。自分にとってのガラクタが、誰かにとっての宝物。それが分かってから、片付けが少し楽しくなりました。
子供服やおもちゃも、同じように売れます
祖母の家のものだけでなく、わが家で使わなくなった子供服やおもちゃも同じようにフリマアプリで手放しています。子ども用品はサイズアウトが早いぶん、状態のいいものがたくさん出るので、必要としている人に渡せるのは気持ちのいいものです。
売るだけじゃなく、「買う」のも楽しい
フリマアプリを使うようになって気づいたのは、売る側だけでなく、買う側としても便利だということ。
子どもの服やおもちゃは、成長に合わせてすぐ必要になるもの。新品にこだわらなければ、状態のいいものが手頃な価格で見つかります。わが家も、必要なものはフリマアプリで探すことが増えました。
そして今回よく分かったのが、古いものを”探している人”がちゃんといるということ。竹細工のかごやレトロな雑貨のように、今はもう作られていないものを好んで集めている人がいます。私自身も、暮らしに合う古道具を眺めるのが楽しみになりました。
祖母が仕掛けた「宝探し」
生前、祖母はよくこう言って笑っていました。
「ばあちゃんが死んだら、よーく見てから捨てないかんよ」
そのときは冗談だと思って一緒に笑っていたのですが、いざ片付けを始めてみたら——本当でした。うちの祖母、あちこちに現金を隠していたのです。
たたんだ服の下、引き出しの奥、缶の中……。片付けを進めるたびに「あ、またあった!」と声が上がって、いつのまにか遺品整理が宝探しみたいになっていました。寂しいはずの作業が、みんなで笑いながらの時間になったのは、きっと祖母のしわざです。
今思えば、あの一言は祖母からの、ちゃんとした申し送りだったんですね。
昔の方は、通帳や現金を家のあちこちに分けてしまっていることがよくあります。服・かばん・箱・引き出しの奥は、捨てる前に必ず中を確認してください。まとめて処分してしまうと、あとから取り返せません。
ちなみに、私たちが売ったり持ち帰ったりできたのも、こうしてひとつひとつ手に取って確認したからでした。手間はかかりますが、その分だけ見落としが減ります。
それでも残ってしまったものは
とはいえ、祖母の家の片付けで出てくるものすべてが売れるわけではありません。大型の家具や、値段がつかないものはどうしても残ります。
そういうものは、無理に自分で運び出そうとせず、専門のサービスに頼るのもひとつの方法です。特に大きな家具は、女性ひとりで運ぶのは現実的ではありませんでした。
ただ、こうしたサービスは「作業後に高額な料金を請求された」というトラブルも報告されているので、業者選びは慎重にしたいところです。国民生活センターも注意を呼びかけています。
私自身はまだ利用していませんが、探すなら複数の業者から無料で見積もりを取って比較できるサービスだと安心だと思います。「遺品整理110番」は東証上場企業が運営する全国対応の紹介サービスで、条件に合う業者を無料で紹介・見積もりしてもらえます。
捨てる前に、ひと呼吸
遺品整理は、体力も気力も使います。気持ちの整理がつかないまま作業しなければならないこともあって、だからこそ「全部まとめて処分」としたくなる気持ちも、よく分かります。
でも、ほんの数点でも「これは売れるかも」と手を止めてみると、思わぬ値段がついたり、大切に使ってくれる人に届いたりします。祖母が使っていた竹のざるが、どこかの誰かの台所で今も使われていると思うと、なんだかうれしいのです。
会えるうちに、会っておいてよかった
祖母の家の片付けをしながら、しみじみ思ったことがあります。
年を重ねるにつれて、少しずつできないことが増えていきます。だから、喋れるうちにいっぱい話して、動けるうちに一緒に旅行や食事に行って、会えるうちにたくさん会いに行く。子どもたちを連れて、何度も顔を見せに行きました。
そうしてきたからこそ、今、後悔がとても少ないのだと思います。
遺品を片付けるのは寂しい作業ですが、ひとつひとつ手に取るたびに「これ使ってたなあ」と思い出せるのは、その時間があったからです。ものは手放しても、一緒に過ごした時間は残ります。
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